外国人労働者の受け入れ拡大。労働問題の歴史とその背景との関係性について

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外国人労働者の受け入れ拡大に向けて、 2019年4月1日に施行される“改正出入国管理法(入管法)

政府が外国人労働者受け入れを進める理由は、深刻化している人手不足解消のためだとされています。

改正出入国管理法(入管法)の概要

入管法及び法務省設置法改正について | 入国管理局

上の画像が改正出入国管理法(入管法)の概要となります。

その一方で下記のようなニュースも伝えられています。

外国人労働者の受け入れ拡大をめざして来年4月に導入される新在留資格で、5年間の受け入れ見込み人数約34万人のうち、7割超の約26万人が労働生産性が平均より低い業種で働くと想定されていることが朝日新聞の試算で分かった。受け入れ先が外国人労働者を低賃金で働かせ、低い労働生産性が温存される悪循環に陥る懸念がある
外国人受け入れ7割が生産性低い業種 低賃金、固定化も:朝日新聞デジタル (※有料会員限定記事(一部無料))

ありんこ
大丈夫なのかな?
外国から来た人が悪条件で働かされたりしないのかな?
よしこchan
ろうむkun
なんか、場当たり的政策な気もするよね…
今の日本で、そんなに稼げるの?
ありんこ

外国人労働者問題が起こる背景には必ずしも経済格差があるということをきちんと理解しておくことはとても重要です。

今も昔も高賃金を求める労働者の移動は活発に行われました。

現在、日本で起きている外国人労働者問題を考えるには、日本のみならずグローバルな視点での“労働問題の歴史とその背景”について再度確認しておく必要があると思います。

労働問題の歴史

近年の雇用情勢の変化に伴い、日本でも労働者の権利や立ち位置についての基本的な考え方が、日本社会の一般的常識にも関与し始めて久しいです。

しかし、世界的には“労働問題”や“労働争議”というのは、つい最近からできた概念ではありません。

少なくとも近代において、1840年代のアメリカで既に経営者と労働者の間の闘争は始まっていたので、今日でいう労働問題という考え方は170年以上前から存在していたことになります。

最初のアメリカ大陸13植民地が、イギリスから独立してアメリカ合衆国が建国したのが1776年。アメリカでは、国ができて60年程で既に労働者の権利についての概念がありました

1842年にアメリカの法律でストライキが合法化されたことを皮切りに、アメリカにおいての労働紛争が激化していくのですが、この時、日本はまだ天保13年。江戸時代でした

アメリカは国ができてからまだ240年程しか経っていませんが、労働問題において日本よりずっと先進国なのです。

・黎明期(れいめいき)の労働問題

アメリカという国は、日本と根底から大きく異なり、イギリスからの移民が土地を開墾した国です。

現地で様々なものを生産して交易により財を成し、当時の宗主国たるイギリスに対して一定の権利を求めた結果に戦争となり、結果的に勝利~独立してできたのがアメリカという国です。

当初は、国民が一丸となってイギリスに立ち向かったのですが、平和になり時代が進むにつれて次第に持つ者と持たざる者にわかれ、経営者(資本家)と労働者になっていきました。

資本家は専横(せんおう)を極め、人種差別や男女差別はあたりまえ(今ではとても考えられませんが…)、子供を安い賃金で働かせるなど非人道的なことが当然のように行われ、次第に資本家に立ち向かうべく労働者が一致団結し“ストライキ”という形で抗議行動を起こすようになりました。

それが公に認められ始めたのは、1840年代です。

・1920年代から1960年代にかけて

更に時代は進み1920年代になってくると、この頃まで当然のように行われていた児童労働に関する規制が始まります。

当時、世界最大の工業力を持つ大国にまでなったアメリカの産業は、このような子供達に少なからず支えられてきていました。

そして、太平洋戦争直前の1938年には現代ではあたりまえの週40時間労働が原則化され、大戦後の1964年には女性や黒人に対して同一賃金の原則が制定されました。

つまり、1964年までアメリカにおいて女性や黒人は賃金で明確に差別され、そしてそれが合法だったということになります。

労働問題の常識、非常識

ここまでアメリカにおいての労働問題の歴史について語ってきましたが、何故こんなことを最初に挙げたかというと、みなさんは女性や黒人が賃金で差別されていることや児童労働が当たり前の価値観についてどう感じられるでしょうか?

恐らくほとんどの人が「そんなのはおかしい!」と思われる筈です。

私も、もちろんおかしいと思います。

…ですが、このおかしいと思える「常識」こそが、アメリカの先人たる労働者達が流した血と汗によって築き上げられてきたものなのです。

それがなければ、現代でも当然のように女性や黒人は賃金面で差別され、小さな子供は働かされていたことでしょう。

労働問題というのはまず気づくこと。それが最も重要です。

おかしいと気づいたら、その次に行動する

そして、行動するために必要なことは何であるか?を調べることも次いで重要となってきます。

先頭に述べた外国人労働者の受け入れ拡大に向けて施行される改正出入国管理法(入管法)についても、さまざまな意見がありますが、一度、多方面から調べてみて自分の中でのジャッジを下しても良いのではないか?と思います。

外国人労働者を増やせば、いずれ移民問題にたどり着くのでは?という懸念から、現時点ではまだまだ曖昧な部分が多いこの法案にあまり賛同できていないのが私の意見です。

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