上司に有給休暇申請を拒否された時の対処法 - 行動結果の勝利体験談

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いざ退職!または在職中に有給休暇の取得を申請して、上司にイヤな顔をされたり、拒否されたりしたことはありませんか?

私は、退職を願い出て有給消化しようと申請をした時、思わぬトラブルに巻き込まれました。

今回は、その時に私が実際に体験した、有給休暇に関する労働トラブルに関して少しお話したいと思います。

実際に体験した労働トラブルについての概要

今から10年程前。

当時私はまだ20代前半でしたが、労働に関する問題について個人的に興味があったのでいろいろと知識だけは持っている状態でした。

その時私は、国内最大手コンビニエンスストアであるS社の流通倉庫で、日当6500円程、月給額面13~14万円という低賃金で働いていました

当時は実家暮らしだったのでそれほど深く考えないで働いていたのですが、事業所の都合で労働時間を4時間程に減らされ、ただでさえ安い賃金がなおさら安くなってしまいました。

ろうむkun
もうやっていられない!

そう考えた私は転職先を探して転職が確定し、保有していた有給休暇を全て取得してから退職しようと考えていました

しかし、事業所の所長は「勝手に辞めていくくせに有給なんて取らせないぞ。有給休暇は、働くことを前提に与えるものだ!」と意味不明なことを言い出して私の有給取得申請を却下しました

労働基準法第39条

私は有給休暇取得を申請し、これを却下することは労働基準法第39条に違反していることを知っていました。

でも、20歳そこそこの若造が40歳前後の人生経験も豊富で中間管理職経験も長い所長相手に、そんなことを言及しても全く相手にされないであろうということは所長とのそれまでのやり取りでわかっていました。

…なので、それ以上は言及せずに「どうすれば有給を取得して退職できるか」を真剣に考えました。

具体的にどう違法か確かめる

まず、年次有給休暇を取得させないのは労働基準法第39条の5項に違反していると考えられます。

これは「時季指定権」と言い、労働者が自らの指定する時季(任意の日付)に年次有給休暇を取得できる「権利」のことを指します

(年次有給休暇)
第三十九条 5項
使用者は、前各項の規定による有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない。ただし、請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる。
労働基準法 第4章 労働時間、休憩、休日及び年次有給休暇|安全衛生情報センター

これは予め労働者が持っている権利であり、使用者たる雇用主が労働者に与えているものではありません。

言うなれば「基本的人権」のようなものです。

そして、年次有給休暇を取得させないということは違反であり、6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する労働基準法第119条に明確に記載されています

でも、残念ながらここまでわかっていてなおさらこれを言及したとしても、やはり素直に聞き入れられることはまずありえないでしょう。

事業所の所長は所詮、中間管理職に過ぎず経営者ではないのです。

そもそも有給休暇の取得妨害は、パワハラと評価される場合があります

…にもかかわらず、面倒なことを言う若造なんて適当に言い伏せればいいという考えを持ち続けている中間管理職がまだまだ多いのが現状です。

そして、それが彼らの中の常識になっているのだと思います。

自分の懐が痛まなければそれでいい。

余計な仕事を口先だけで退け、自分の評価に影響しなければそれでいい。

このご時世においても有給休暇をとらせない(与えない)上司の特徴は、上記のような感じだと考えます。

そんな考えの会社や中間管理職が、まだまだ多く存在することも日本の労働社会の現状だと思います。

行動こそ実益に繋がる

さて、これで事業所の所長が行っている所業が具体的にどう違法かはわかりました。

しかし、違法であることがわかっても所長にそれを納得させることができなければ何の意味もありません。

そこで労働問題における第一の必殺技たる「内容証明の登場です。

内容証明とは正式には内容証明郵便と言い、規定の書式要件を満たし所定の料金を支払うことによって、差し出した文章の内容を郵便局が証明してくれることを言います。

内容証明郵便について

よしこchan
郵便局が内容を証明したからって何かが変わるの?

と思われるかもしれませんが、これは訴訟の前段階において相手に対し「これこれこういう理由でお金を払わないとあなたを訴えますよ」ということを宣言する。と言ったほうがわかりやすいかもしれません。

訴訟というと大げさなように聞こえますが、実はほとんどの労働問題案件において訴訟に移行するまでもなく請求した内容や金額が「法的に正当」(当たり前ですが何の根拠もない理由で金銭を要求することは脅迫になります)ならば、おおよそすぐに会社側が折れて素直に支払います。

内容証明を出した結果

この実体験の話をするとほとんどの方が、更には社会保険労務士事務所に勤務している労務士さんでも「本当に??」と疑問を持たれます。

しかし、実際に私はこの方法で数回、会社側が支払わなかった労働賃金や解雇に関わる金銭をきっちりお支払いいただいたことがあります。

それは紛れもない事実です。

ただ単に運がよかっただけかも。と思われるかもしれませんが、もし運が良かっただけではそれまで大いばりで

わるしkun
有給休暇なんておまえにやるわけないだろう!

と言っていた大の大人が急に手紙を一本出しただけで「書状を受領致しました。申し立てについて承諾します。関係書類にご記載頂きたいので事業所に一度来てくれませんか?」という態度にはならないと私は思います。

内容証明を出しただけで何故会社がすぐ折れるのか?

まず事業所の所長の立場で考えてみると、仮に労働者(私)が本当に訴訟を起こした場合、会社側が被告になり私が原告になります。

さて、誰が被告として答弁を行うのでしょうか?

所長自身が行うのでしょうか?

そんなワケがありません。

私が要求した有給付与日数は10日程ですので金額にしてわずか6~7万円の案件です。

そんなことのために仕事を何日もあけられるワケがありません。

ましてや所長は当然、裁判に関しては素人です。

裁判に関して素人だというのは私も同じことですが、これまでの労働問題に関してまとめた資料等を手元に持っていたのでこれを労働基準監督署に持ち込んで相談すれば様々な方法が見つかるでしょう。

会社側は訴訟を受ける場合、わざわざ弁護士を立てなければならなくなります

その費用は誰が持つのでしょうか?

ここで少し実務的なことをお話すると、実際に訴訟を起こす場合(前述した通りほとんどありえませんが)は労働審判といって一般的に想定される通常訴訟とは少々異なる手順を踏むことが多いです。

簡単に言うと労働問題専用の訴訟のようなものですが、労働審判による裁決は通常の訴訟と同等の効果を持ちます

なおさら労働審判は原則、3回の期日をもって審理を行い、会社側はこれに出頭する義務を負います

かつての事例でこれに第1回、第2回審理に共に欠席した被告(会社)がいました。

この時、原告(労働者)が申し立てを行った内容をそのまま裁判所が認めました。

つまり会社から見れば、出頭しないとほぼ確実に敗訴します

では、出頭するにしても誰が出頭するのか?弁護士を立てるにしても誰が費用を払うのか?そもそも数百万円ならともかく数十万円の案件では弁護士を頼むにしても足が出てしまうことも少なくないでしょう。

このように主に費用的な問題

更に申し立て内容が法的に正当な場合は会社が勝てる見込みもなく、下手をして地方紙などに載ってしまえば会社の信用にも関わるので、多少の金銭を払って解決するなら払ってしまおう。と考えるのが大多数の中小企業の考えであることは明確でしょう。

一般的に訴訟は「弁護士さんの腕次第」と考えている人も多いと思いますが、そんなことは全くありません

そもそもの原告の訴えの内容が正当で、被告側に全く弁護の余地がない場合、被告側がどんなに有能な弁護士を雇っても敗訴します

有名な話でいうと(労働問題からすこし外れますが)、かつて英会話のNOVAで未受講分の受講料の返還を求めた訴訟がありました。

返金手続きを行ったにもかかわらず、まともに返金されないとして生徒(原告)は本人訴訟で弁護士をつけずに自分一人だけで受講料返金訴訟を起こされたそうです。

被告(NOVA)は弁護団として弁護士を17人も雇って訴訟に臨みましたが、結果はNOVA側が全面敗訴しました。

諦めずにいろいろやってみよう!

ここまでいろいろ語ってきましたが、自分自身の労働問題を考えるにあたって、結局一番問題となるのは「本当に自分のやっていることが正しいのだろうか」とか「これで本当に状況が変わるのだろうか」と不安に考えてしまうことだと思います。

不安に陥った時は、自分で調べてみたり、信用できる人に相談してみたり…

まず、行動してみることが大事です。

そして自分自身に自信を持ちましょう

私自身、労働問題で会社に内容証明を出そうとしたときに両親に「どうせうまくいかない」と馬鹿にされたりもしました。

でも、結果的には会社の違法な対応を認めさせ、正当な賃金を引き出しています

もちろん過剰な自信は禁物ですが、何事も他人や会社の人間の言動に惑わされずに何が本当に正しいことなのかを冷静に汲み取っていくのが最も重要なことであると私は考えます。

長い人生の中では、さまざまな場面に出くわすことがあります。

また、働いていると不条理な企業(会社)に出くわしてしまうこともあります。

でも、そんな時でも諦めず、自分が納得できる答えを自らが行動して解決していきましょう

適性検査LP

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有給休暇を拒否されたりして転職や退職に悩んでいるなら、一度、転職に向けて現在の自分の市場価値を調べてみることから始めてみてもいいかもしれません。

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